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民法 [7] 第1編 総則 - 代理

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代理

意義と要件

本人と代理関係にある他人(代理人)が本人のために意思表示を行い、または受けることにより、その法律行為の効果を本人に帰属させるための制度で、私的自治の拡大・補充の効果がある。

有効な代理行為のためには

  • 顕名(代理行為の際、代理人であることを明示して行為すること)
  • 代理権の存在(本人が代理人に代理権を付与すること)

の要件を満たす必要がある。

代理には法律の定めにより代理権が与えられる法定代理(親権者や後見人など)と、本人が選んだ者に代理権を与える任意代理がある。
なお、民法上、代理人は行為能力者であることを必要としない民法102条

代理行為に関連する問題

意思表示の瑕疵

代理行為における意思表示の瑕疵の有無は、本人ではなく、代理人を基準として判断する。
ただし、代理人が本人の指図に従って行為した場合、本人が知った、または知り得た事情について、代理人の不知を主張することはできない。民法101条2項

代理人と相手方の通謀

代理人と相手方が通謀して本人を欺罔した場合、代理人の意思について相手方が善意であれば、外形上は正常な代理行為であるため、効果は本人に帰属するが、悪意の場合(代理人の意思を知り、または知り得た場合)は民法93条但書の類推適用により無効となる。

代理人の権限乱用

代理人の相手方が悪意、または有過失の場合、民法93条但書の類推適用により無効となる。

範囲の定めのない代理権

代理権の定めのない任意代理の場合、代理人は管理行為のみが許されているものと解される。管理行為とは、

  1. 保存行為(修繕など、価値の現状を維持するための行為)
  2. 権利の性質を変えない範囲における利用または改良を目的とする行為(現金の預金など、利用し収益をはかる行為や、壁紙の張替えなど、財産的価値を増加させる行為)

をあわせたものを指す。

管理行為と対置されるのが処分行為で、財産の現状や性質を変更したり、売買など財産権の法律上の変動などを生じさせる行為をいう。

(※ 法定代理は、発生事由である法律に代理権の範囲が定められている)

無権代理

代理権がないにもかかわらず(顕名はある)、代理人による代理行為が行われること。
無権代理が行われると、本人と相手方にそれぞれ当該行為の有効/無効を左右する権限が生じる。また、無権代理人には代理行為の責任が生じる。

本人の追認権・追認拒絶権

無権代理行為を追認するか否かの権限が認められる。

民法113条

代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。

2項
追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

相手方の催告権

本人に対して、一定期間内に追認するかどうかの確答を求める催告権が認められる。民法114条
本人から期間内に確答が得られなかった場合、追認拒絶されたものとみなされる

相手方の取消権

追認されるまでの間、無権代理人との行為を取り消すことができる取消権が認められる。民法115条

無権代理人の責任

本人が追認せず、かつ相手方が取消権を行使しなかった場合、無権代理人は相手方に対して履行損害賠償の責任を負う。民法117条
本人の追認や相手方の取消権行使があった場合、無権代理人としての責任は負わない。
また、相手方が無権代理について悪意もしくは有過失の場合、または行為能力がない代理人の場合、無権代理人はその責任を免れる。

表見代理

無権代理であっても、本人に効果帰属すること。成立要件として、一般的には

  1. 代理権があるような外観の存在
  2. その外観の作出についての本人の責任
  3. その外観を相手方が信頼したこと

が必要となる。

表見代理には、

  1. 代理権授与の表示による表見代理民法109条
  2. 権限外の行為の表見代理民法110条
  3. 代理権消滅後の表見代理民法112条

があり、前述の成立要件を各類型に当てはめると以下のようになる。

代理権授与の表示

  1. 第三者に対して、他人に代理権を与えた旨を表示
  2. その代理権の範囲内において行為がなされている
  3. 相手方が善意、無過失である

権限外の行為

  1. 基本代理権がある
  2. その権限外の行為をした
  3. 相手方に権限があると信頼すべき正当な理由がある

代理権消滅後

  1. 以前に代理権を付与した
  2. 以前に代理権を付与されたものが行う
  3. 相手方が代理権粗消滅について善意、無過失である

自己契約・双方代理

自己契約と双方代理は、原則として無権代理行為として扱われる
ただし、本人が許諾している場合、正当な代理行為となる。

自己契約

特定の法律行為について、当事者の一方が相手方の代理人になること。

双方代理

特定の法律行為について、ひとりの者が当事者双方の代理人となること。