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憲法 [2] 前文

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日本国憲法前文103ヶ条の本文(100条以降は補則)によって構成されている。
前文では日本国憲法の基本理念や最高規範性について宣言している。

日本国憲法 前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意しここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

前文に謳われる日本国憲法の基本理念

基本理念 該当部分
国民主権 ここに主権が国民に存することを宣言し
基本的人権の尊重 わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し
平和主義 政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し

その他の重要な内容

  • 国民主権に基づく代表民主制の原理の採用
    • 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し
    • そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し
  • 憲法改正の限界(憲法改正を法的に拘束するという法的意義)
    • これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する

前文の法的位置づけ

前文は日本国憲法の基本原理を定めており、主要な構成要素であり、それ自体が法的性格・憲法法規としての実質を有する。

-> 法規範性がある

前文は単なる前書きではなく憲法の構成要素ではあるが、裁判を行う際の基準になるほどの具体性はない。

-> 裁判規範性はない

判例】長沼事件控訴審札幌高裁 昭和51.08.05)

航空自衛隊の基地建設を目的とする農林大臣の行った保安林の指定解除処分に対して、周辺住民が「平和のうちに生存する権利」を侵害されるおそれがあるとして、解除処分の取消を求めた事件。
主張の当否をめぐり、憲法前文に定める平和的生存権が裁判規範性を有するかが争点となった。

第1審の札幌地裁では前文の裁判規範性を肯定したが、高裁では一転、

前文中に定める「平和のうちに生存する権利」も裁判規範として、なんら現実的、個別的内容をもつものとして具体化されているものではない

として、否定された。

昭和48(行コ)2 保安林解除処分取消請求控訴事件