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Web系エンジニアが行政書士を目指すブログ

アラサー既婚(元)Web/アプリエンジニア兼デザイナーが行政書士を目指す

憲法 [11] 第3章 基本的人権 - 社会権

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個人の生存、生活の維持、発展に必要な諸条件の確保を国家に要求する国民の権利。
自由権が国家からの自由であるのに対し、社会権は国家による自由である点が異なる。

生存権

憲法25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

資本主義の発達により生じた過度の不均衡を是正するための権利。
福祉主義(行政権の行使の根拠)の原則を規定した条文であり、社会福祉立法の総則的規定となる。

プログラム規定

朝日訴訟において

憲法25条1項は、国の責務を宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。
具体的権利は、25条の趣旨を実現するために策定された生活保護法によって初めて与えられる。

と判示しており、このような「規定されている責務は努力目標を定めたものであり、法的な義務ではない」という考え方をプログラム規定説という。

つまり、国が国民のために規定する社会福祉関係の法令に関して、国に法的な義務はなく、定める福祉の内容については広く国の裁量に任されている、といえる。

判例朝日訴訟最高裁大法廷 昭和42.05.24)

憲法25条1項は、国の責務を宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではなく、具体的権利は生活保護法によって与えられる。しかし、健康で文化的な最低限度の生活は抽象的な相対的概念であり、その認定判断は厚生大臣の専門的技術的裁量に任されており、その判断の当不当の政治責任が問われることはあっても、直ちに違法の問題は生じない。
ただし、著しく低い基準を設定するなどの裁量権の濫用がある場合には、違法な行為として司法審査の対象となる。

判例】堀木訴訟(最高裁大法廷 昭和57.07.07)

障害福祉年金と児童扶養手当、同一の性格を有する2つ以上の公的年金の併給禁止に触れるとして給付請求を拒絶されたとしても、立法政策上の裁量事項であり、憲法25条に違反するとはいえない。
また、障害福祉年金を受ける地位にある者とない者との間に、児童扶養手当受給に関して差別を生じたとしても、福祉政策を総合的に判断した結果であり、合理的理由のない差別ではない。

昭和51(行ツ)30 行政処分取消等

判例塩見訴訟最高裁 平成1.03.02)

社会保障施策において外国人をどのように扱うかは、特別な条約等が存在する場合を除き、国の政治的判断によって決するのが原則であり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

昭和60(行ツ)92 国民年金裁定却下処分取消請求事件

教育を受ける権利

憲法26条

すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

2項
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

人格の発達や次代の主権者育成のために規定された。

判例】教科書国庫負担請求事件(最高裁大法廷 昭和39.02.26)

憲法25条2項に規定された義務教育を無償にするとの規定は、授業料を徴収しないことを指し、教科書や学用品など、教育に必要な一切の費用まで無償にすると定めたものではない。

昭和38(オ)361 義務教育費負担請求

判例】教育内容の決定権能の帰属(最高裁大法廷 昭和51.05.21)

教育権は子女の親が持っていると解されるが、家庭教育や学校選択の自由に現れる。また、教師の教授の自由は限られた一定の範囲で認められる。それ以外の領域では、我が子の利益・成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当と認められる範囲において教育内容について決する権利を有する。

昭和43(あ)1614 建造物侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反

勤労の権利

憲法27条

すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

2項
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

3項
児童は、これを酷使してはならない。

3項は私人間に直接適用される。

労働基本権

憲法28条

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

本条は私人間に直接適用される。

判例全逓東京中郵事件(最高裁大法廷 昭和41.10.26)

公務員とはいえ労働者には間違いがないので、原則的にはその保障を受ける。

昭和39(あ)296 郵便法違反教唆

判例】全農林警職法事件(最高裁大法廷 昭和48.04.25)

国家公務員法に定められた公務員による争議行為の禁止規定は、勤労者を含めた国民全体の利益のためのやむを得ない規制であり、憲法28条違反しない。

昭和43(あ)2780 国家公務員法違反